レヴィオルストーリー2
「……痛いでしょう。もう寝なさい」
ダーチェスはそう言うと、すっとクウェンナに白い手を伸ばした。
彼を強制的に静かに眠らそうとしているのだ。
しかしそれをする為彼の目を塞ぐ前に、声が行動を遮る。
「……おい、クウェンナ!」
───その声はマケドニスのものだった。
クウェンナとダーチェスは二人一緒にマケドニスのいるところを見る。
そして、その隣のアレンを見た瞬間、クウェンナはフッと柔らかい呆れたような笑みを浮かべた。
「……何、アレン。泣きそうな顔してさぁ」
そう言って面白そうにクスクス笑う。
「……うっさい…」
本当にそんな表情をしていたアレンが、我に返ってそう反論した。
それをクウェンナとマケドニスは温かい眼差しで見つめる。
そんな視線に慣れていないアレンは少し戸惑い、それから躊躇いがちに口を開いた。
「……クウェン、兄。クウェン兄は…」
───何が、したかったんだ?
アレンはそう訊こうとした。
しかし、結局それは出来ずに終わる。
「…ごめんな、アレン」