レヴィオルストーリー2
44.双子の再会
ダーチェスの剣がアレンを斬る。
剣が風を斬る音を聞きながら、誰もがそう思っていた。
思っていた、が――…
────ガキン!
「…………!?」
真っ黒な剣が生んだ、硬い音。
それはもちろん、剣が弾かれた音で。
その刃の持ち主のダーチェスは、驚きに目を見開いた。
レイやイル、ギルクやマケドニスやクナルも同じく驚きの表情を顔に出す。
「………あ、アレン?」
レイが未だに動かないアレンに声をかけた。
すると、彼はレイの方へ向きやっと動きを見せる。
曖昧な色の髪を揺らす彼の周りには、虹色に光る結界が張られていた。
「………え、何あれ…」
イルがぽかんとして呟く。
その呟きに反応したのかどうかはわからないが、アレンは無言である方向を見つめた。
レイ達が乗って来た、馬車のある方向を。
そしてそこにある、二つの存在にアレン以外の者たちも気付く。
「………誰…??」