レヴィオルストーリー2

「……い、今の…」


馬車の傍でニーナが教皇に言葉少なに訊ねる。

教皇は頷くといつになく真剣な顔をしてニーナに言った。



「あれは魂。今のは魂が天に還ったのです。

…ニーナ、よく見ていなさい。

これから起こることはこの世界の今後に関わります。

あの人は本物の神ですわ」



その教皇の言葉にニーナは緊張の面持ちでゴクッと唾を呑んだ。


一秒足りとも見逃さないと、教皇みたく離れたところにいる集団をガン見する。







「……いい加減にしなさい、ですって?」


ファンリュジョンの言動が何か癪に触ったのか、ダーチェスが少しばかり上擦った声を出した。


自分そっくりな金髪の女性を睨み付け、形のいい唇の端を吊り上げ皮肉的な笑みを浮かべる。




「……私にこうさせてるのはあんたよ、ファンリュジョン。」


「あら、私が可愛い妹に何をしたって言うのかしら?」


「今さら姉さん面しないで!」



ダーチェスは今度は甲高い声で叫んだ。


二人の発言にレイやギルクやイル、マケドニスやクナルは目玉が転げ落ちんばかりに驚く。




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