レヴィオルストーリー2

結界とぶつかり跳ね返った黒魔法は、またダーチェスへと戻っていく。



「…っうざい!死ね!」



ダーチェスはそれをかわすとファンリュジョンに向かい暴言を吐いた。


それから手を動かしまた黒魔法を生む。



〔ダーチェス、むやみに力を使うのはやめなさい〕


それを黙って見ていた闇の精霊がやっと静かに止めた。


ダーチェスはムッとしながらも一旦魔力を使うのをやめる。



神は二人を眺めながら溜め息をついた。




「…あの子を使って私に会おうとしたくせに…、何をそんなに慌てているのかしら」


あの子、アレンを見やりながらそう呟く。


密かに目配せされたアレンは、目立つ魔力をバレないように少しずつ解放していた。

しながら隣のレイから伸びてきた手を意識する。


レイは緊張しているのかアレンの服の裾を無意識に掴み、神が言っていた白魔法を待っていた。




(………うわあぁ、また来た…)


いちいち可愛いレイにアレンはちょっとドキドキする。


また来た、というのは旅の時のあの原因不明(あの時のアレンからしたら)の動悸のことである。




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