レヴィオルストーリー2

教皇はニーナを見つめ返して笑みを消した。


ニーナは次につむがれる彼女の言葉に耳を傾ける。



「…馬車に乗る前に先見しましたの。

そうしたら、この神域の側で…黒い髪の女性と金色の髪の女性が対峙しているのが視えました。

その二人の足元に貴女とアレンが倒れていて。
だから、ニーナにはああ言ったのです。」



傍で聞いていたマケドニスとクナルが目を見開き息を呑んだ。


ニーナはそんな二人は気にせず、教皇と向き合う。




「……それは、まだあり得ますか?」


そんな側近の問いに、教皇は目を伏せた。



「……えぇ」


静かに言うと、顔を上げる。





「けれど。変えることは可能ですわ。

現に私の視た未来が変わった例もある。

それらは努力次第で変えられるものだから…、できるだけ、いい方向に。」



力強く言った教皇に、ニーナはニッと笑った。


頷いてまた神と闇王に視線を移す。


教皇もそちらに目を向けると、ポツリと呟いた。




「一人では無理だけど、仲間となら大丈夫。

貴女もそう言っていたわよね、ナティア…。」





───それは、今も大切な愛しい親友への言葉。



そして、この戦いの鍵を握る言葉───。





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