レヴィオルストーリー2
スッと横に構えた愛剣。
それはアレンが左手を添えると、カタカタ小刻みに揺れて赤い宝石を白い色にした。
「《魔力剣 想白》」
アレンが業名を唱えると震えはおさまり、剣は彼の手の中で大人しくなる。
〔あー…。勇者様は魔力剣出来るんだ。
厄介だなぁ…まぁ殺さない程度に殺すけど〕
「だからそれ殺してるっつーの」
またツッコミを闇の精霊に返すと、アレンは直ぐ様小さなそれを斬りにかかった。
寸分狂わず狙いを定め、突きを繰り出す。
……が、剣は妖精を刺さずに通り抜けた。
「はッ!?」
それを見ていて驚き、裏返った声を出すギルク。
そんな彼の後ろに、いつのまにか黒い妖精はまわっていた。
「うぉおっ、そこか!」
気付いたギルクは腕を振りかざすが、またもそれは妖精の体を通り抜ける。
そうしている間に、アレン達の周りには何体もの闇の精霊が現れていた。
まるで影分身かのように、皆同じ容姿をしている。