レヴィオルストーリー2
「幻影だわッ!本体を叩かなくちゃ!!」
ギルクの隣で杖を構えるイルが、そう叫んで近くにいる一体に蹴りをかました。
さすが元忍者、キレがいい。
しかし、やはりその一体は幻で出来た偽物。
〔あははっ♪〕
得意そうに笑う精霊はヒラヒラ舞って余裕を見せつけた。
それをレイはじっと見つめる。
「…《光力球籠》」
彼女が小さく唱えた瞬間、光の精霊がその身を光らせた。
やがて光は膨張していき、球体へと形を変える。
「《針放》」
スッと右手を球体に向け、レイは囁いた。
すると球体からいくつもの細い光が針のように飛び散っていく。
それは確実に闇の精霊の一体一体へと向かっていっていた。
〔うひゃあっ!!〕
慌てた声と共にたくさんいる闇の精霊の一体が素早く逃げる。
それを見た虹の精霊が、自身の小さな手から虹色の鎖を作り出した。
〔逃がさないわよっ〕
そう言いながら鎖を振るう。
それは飛び出した闇の精霊に絡み付き、見事捕らえた。