レヴィオルストーリー2
せっかくのエレスからの挨拶をそんな風に返したアレンは、すっかり戦意の失せた黒い妖精を見るとため息をついた。
「…あとはダーチェスだな」
一番神域に近い場所で激闘を繰り広げている二人の女性を見やる。
厄介な敵を見て顔をしかめたアレンを見上げ、レイは彼の腕を軽く叩いた。
アレンはレイの方を向き目で『どうした?』と問いかけてくる。
「…ねぇ、アレン」
「ん」
「神様…ファンリュジョン様なんだけど」
「……………」
「あの人…やる気あるの?」
「……………」
レイの問いにアレンは黙り込んでしまった。
確かに、そう訊きたくなるのはわかる。
ファンリュジョンは始終ニコニコして戦っていた。
戦う、といってもダーチェスからの攻撃を防ぐだけ。
「……言ってた『最大の白魔法』の為に力を温存してんじゃねぇか?」
とりあえずアレンはそうであってほしい、と思う予測を自分の彼女に伝えたのだった。