レヴィオルストーリー2

せっかくのエレスからの挨拶をそんな風に返したアレンは、すっかり戦意の失せた黒い妖精を見るとため息をついた。



「…あとはダーチェスだな」



一番神域に近い場所で激闘を繰り広げている二人の女性を見やる。


厄介な敵を見て顔をしかめたアレンを見上げ、レイは彼の腕を軽く叩いた。

アレンはレイの方を向き目で『どうした?』と問いかけてくる。


「…ねぇ、アレン」

「ん」

「神様…ファンリュジョン様なんだけど」

「……………」

「あの人…やる気あるの?」

「……………」



レイの問いにアレンは黙り込んでしまった。



確かに、そう訊きたくなるのはわかる。



ファンリュジョンは始終ニコニコして戦っていた。


戦う、といってもダーチェスからの攻撃を防ぐだけ。




「……言ってた『最大の白魔法』の為に力を温存してんじゃねぇか?」


とりあえずアレンはそうであってほしい、と思う予測を自分の彼女に伝えたのだった。



< 810 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop