レヴィオルストーリー2
46.終幕と開幕
「…あら、あっちは終わったみたいね」
激戦中だったファンリュジョン。
彼女はニコニコしながら目の前の自分に瓜二つな顔に話しかけた。
ダーチェスはちらりとアレン達の方を向き、舌打ちする。
「……負けてる…。全く、役立たず!!」
そんな暴言にファンリュジョンは悲しそうに眉を下げた。
演技なのかそうでないのかは本人にしかわからない。
「…貴女、口が悪くなったわね。いつからそうなったの?」
「いつから…さぁね。私はこういう奴だったのよ」
「嘘おっしゃい、ダーチェスは心優しい乙女でしたでしょう」
ファンリュジョンはそう言うと、自分に向かい飛んできた魔法をきっちり弾いた。
ダーチェスはまた舌打ちする。
焦っているように見えるのは気のせいではないだろう。
「……神の塔でなら勝てると思ったの?」
「あら、ここでも勝てるわよ」
「…変な自信ね。どこから湧いてくるのかしら」
暢気にクスクス笑うファンリュジョン。
ダーチェスはわかりやすく額に青筋を浮かべた。