レヴィオルストーリー2

全員の準備が整ったのを瞬時に確認すると、ファンリュジョンはあちらも攻撃体勢な妹を真っ直ぐ見つめ囁いた。





「……《神ノ制裁》」





 ───ズン…!!!



大きな音と共に白い手から虹色の光が一直線に伸びる。


それと同時に、ダーチェスの手からも黒い光が飛んで来た。




激しく衝突する二つの力。



その強さは等しく、押して押されてダーチェスは忌々しげに表情を歪めた。





「……私を殺すの?妹よ」


「何を言っているの。貴女は私を殺そうとしたでしょう?

……それに、これが私の役目だから。ダーチェスが放棄した、『制裁者』の役目。」




そんな淡々としたファンリュジョンの言葉にダーチェスはまた憤怒の形相を浮かべた。


それに応えるように手に籠る力が強まり、黒魔法に捧げられる魔力の強さも大きくなる。




「…そんな役目、私が創る世界では必要ない!
私の世界なら、皆が私の従者だもの。

制裁するような悪事も、私の命令一つでなくなってしまうんだから」






< 815 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop