レヴィオルストーリー2

〔!?〕


ダーチェスに突進しようとしていた妖精二匹は、彼女の行動に驚いてぶつかる前にUターンする。

ファンリュジョンも自分の妹を見つめ、怪訝そうに眉を寄せた。



「何…?」


アレンの横のレイが彼に寄り添いながら囁く。

イルも元々大きい目を更に大きくし、クナルにぺたりと張り付いた。



「……嫌な感じがする」


綺麗な碧色の目を細めたアレンがボソリと呟く。



ダーチェスは身を光らせたまま、身体を少しずつ丸めていった。




膝を抱え、背中を丸め。




だんだん球体のような形になっていく。




「……自滅するつもり?」


ニーナが言うと教皇は首を横に振った。


その様子は焦っているようにも見える。



「違いますわ。早くあれを阻止しなければ」

「無理よ」


サリルナ教皇の言葉は神に遮られた。


ファンリュジョンの諦めたような物言いにアレンは密かに眉を潜める。




「どうしてですか?」



いつのまにか傍に来ていたマケドニスが、クナルの隣から神に訊いた。



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