レヴィオルストーリー2
「………あ~あ。行っちまった。神様のサイン欲しかったなぁ」
「あっ、あたしもぉ~!貰っとけばよかったぁ~」
「アホか」
お馴染みバカップルの会話にアレンは静かにツッコんだ。
しばらくその場に皆で突っ立っていたが、不意に教皇が手をパンと叩き自分以外の全員の視線を集める。
「聖堂に戻りましょう。色々お話し合いをしなければなりませんわ。
まず馬車を取りに行って、あと隠れた従者を探さなければ」
「……そうですね」
教皇の話に同意したアレンはスッと手を上げるとそれを森へ向けた。
すぐに隠れていた従者が木陰から引っ張られるように出てくる。
「ひっ」
「…もう出ても大丈夫だから、そんなに怯えないでほしいんだけど」
「す、すみません。隠れてすみません」
従者は傷だらけのアレンを見て、真っ先にそう謝った。
「別にそんなことで責めたりしませんわ。そうでしょう?」
「はい」
めんどくさいし、とアレンが心の中で付け足した声は、教皇に聞かれることはまずないだろう。