レヴィオルストーリー2
「…凄いだろ。こうなったらもう入る隙間なんてないからな」
「こんなにアレン君が喋るの、初めて見たかも…」
当たり前のようにその様子を見るレイ達やニーナももう話には入れない。
しかしちゃんと聞いてはいるらしく、真剣にアレンと教皇を代わる代わる見ていた。
…若干一名、怪しい赤いのがいるが。
「………じゃあそれで。決まりですね」
そうアレンの口から言葉が発せられたのは、話し合いをはじめてから一時間後のことだった。
意外に早く話がまとまり、皆ほっとして息を吐く。
さぁ戻ろうというときに、教皇がふと口を開いた。
「皆さん、決めたからにはちゃんと強くなりましょうね。これは誓いです。
ダーチェスを倒す為、頑張りましょう」
その言葉にアレン達は数回余分に瞬きする。
そして。
「………はい」
──…意志の強い瞳を見せそう言うと、笑顔を見せた。
教皇は満足そうに頷き、こちらもにっこり笑う。
「…それでは、解散ですわ。
貴方達が国に帰るのは明日の朝。
それまで寛いでいって下さいな」
「はぁ~いッ!」
イルが元気よく返事をした。
それを見て微笑む教皇とニーナ。
こうして、10年間という長い間、それぞれは己の強さを磨くことになったのだった。
それが意味を為すのかは、まだわからないけれど──…。