レヴィオルストーリー2

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

真っ白な大きい城門。


そこに小さな影が三つ。


二つは城門を護る兵士のもの。


一つは──…




「あっ、アレン!」




そう嬉しそうに声をあげた、ハニーことレイのもの。



彼女はその存在により緊張で固まっていた兵士の横を抜け、帰ってきたアレンのもとに走り寄ってきた。


アレンはレイを向かい入れ、ついでに抱き締める。



「おかえりなさい、待ってたのよアレン」


「…ただいま。

待ってたって…なんか用事あったのか?」


『おかえり』と『ただいま』のある幸せに思わず頬を緩めそうになりながら、アレンはレイを見下ろし訊いた。


途端にレイは真っ赤になって口ごもる。



「あ、あの、特にないんだけど。待ってたの…」

「……ありがとう」


優しく目を細めるアレンにレイは輝く笑顔を見せた。


アレンは彼女を解放し、首を傾げまた見下ろす。



「あのさ、着いてきてほしいとこがあるんだ。すぐだから、いい??」

「え?いいわよ。でもどこに??」

「母さんのとこ」



そう答えた瞬間、アレンは足元に金色の魔方陣を広げた。


レイや離れた場所で見ていた兵士は、おっかなびっくり目を丸くする。




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