レヴィオルストーリー2

自分の母親の墓に手を合わせ、アレンは謝っていた。


この前たぶんアレンの体を心配したのだろう、魔力は使うなと言われたのに、これから使いまくることになるから。




(…それでも、守りたいんだ。)




大体ママの言うことをいちいち聞く年でもない。


だがそこらへんはよくわからないアレンには、そんなことも当然わからないのだった。







「……ごめんレイ、ありがとう。帰ろう」

「えぇ。で、どうして…」

「帰ってからな。帰ってから」


またも流したアレンにレイはまたまた頬を膨らませた。


苦笑しながらそれを見下ろし、さりげなくおでこにキスをする。




「…そんなことして誤魔化さないでっ」

「誤魔化さない。ちゃんと話すってば」


頬を朱に染め言うレイに、アレンは小さく笑顔を見せた。


レイは照れ臭そうに彼を見上げ、結局機嫌がよくなったらしくにっこり笑う。



「……帰ろう、レイ」

「……えぇ」



向き合う二人は手を繋ぎ歩いて帰ることにした。


時間がないとか言ってたくせに、とレイはまた膨れたが。







『………大変だろうけど、頑張ってね』




遠く離れた二つの背中。


それを見送り誰かが呟いた言葉は、二人には届くことなく風にさらわれたのだった。






─完─



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