それでもあなたが大好きです。
ーーああ…死んでしまいたい
「…はぁはぁはぁはぁっ、佐々本小春っ」
突然息を切らした背の高い男の人が私の名前を呼んだ。
「…誰ですか…?」
マスコミがまた私の場所を見つけて声をかけてきたのかもしれない。
逃げないと…でも今逃げたらクビになる…
「安心しろマスコミじゃない。
助けてやるから俺の言った通りにしろ」
「…どういうことですか」
「おまえ今、セクハラされて困ってんだろ。助けてやる」
「っ、なんでそれ!」
「細かいことは後だ。
今から俺がおまえを連れ去るフリするから抵抗しろ。
だが抵抗するフリをしながら俺についてこい。
あとは俺に任せとけ」
「?…わかり、ました」
誰だかわからない。
だけどなぜだが信じてみたいと思った。