それでもあなたが大好きです。
ーーー18時。
私の職場近くの公園で待ち合わせ。
私が着くと、すでに蓮さんは待ってくれていて、長い足を組んでベンチに腰掛けているのが遠目から見えた。
「蓮さん!」
私の声に反応し、顔を上げた蓮さんに驚愕する。
「どうしたんですか!?その格好」
「俺の仕事関係のやつにおまえといるとこ見られたらヤバイから…
こんな格好でごめんな」
ニット帽にサングラスにマスク。
ニット帽もサングラスもおしゃれ物だけどまるで…
「ふふふ」
「…小春?」
「ふふふふふっ」
「なんだよ突然」
「だっておかしいんですもん!
すごくおしゃれな不審者みたい」
「っ、笑うなよ恥ずかしいんだからっ」
「恥ずかしがってる蓮さんもかわいいですね」
「ばかっ、いいから行くぞ」
私の手をサッと握り歩き出す蓮さんの後を追う。
背の低い私のスピードに合わせて歩いてくれる蓮さんはやっぱり悪い人じゃないって自分に言い聞かせた。