それでもあなたが大好きです。



「小春、これが最後だから玄関の鍵お願いしていい?」

「あっ、はい!」



鍵を閉めてから部屋に戻ると、家具が増えて温かみを増した部屋に変わっていた。


「わあっ!」

「これでもう寒くないな」

「はい!
さっそく暖房入れてみてもいいですか?」

「ああ」


買ったばかりの電気ストーブに電源を入れる。

「あったかい…」



私がストーブで暖をとっていると、蓮さんも同じように私の隣にやってきて座り込んだ。




「ずっと気になってたんだけどさ、小春の荷物ってここにある分だけ?」


「あ…はい。そうなんです。

事件の慰謝料を払うために売ったからっていうのもあるんですけど…残してた分も火事で全部燃えちゃって」



また暗い空気になってしまわないよう笑顔で言ったつもりだったのだが、蓮さんは眉間にシワを寄せていた。



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