それでもあなたが大好きです。



あんなにひどい事故…助かっただけでも奇跡だ。



耳が聞こえなくなっていたら?
目が見えなくなっていたら?
車イスが手放せない生活になったら?
ベッドから起き上がれない身体になったら?


…嫌な想像ばかり頭に浮かんで、蓮は気が滅入りそうだった。




「小春に会いたい…っ」



組織のデータを持ち逃げした俺は、組織の奴らに追いかけ回される日々を送っていた。

こんな状況で小春に会えるわけなんてなかった。





無事大雅さんの証拠は雑誌社に渡してきたし、小春がバッシングから解放されるのもあと少しだと思うのだが……



元から警察の不祥事ばかりを追いかけていた雑誌社に渡したため、警察からの圧力に屈することはまずないだろう。

明日にはその記事が載った週刊誌が発売される。




小春、もう少し耐えてくれ。
明日になれば世間からのバッシングも落ち着くはずなんだ。


肝心なときに支えてやれなくてごめんな、小春……


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