それでもあなたが大好きです。
「先生、リハビリはいつからですか?」
「…佐々本さん、落ち着いて聞いてください」
先生が真剣な顔をして私に向く。
私が何事なのかと人ごとのように考えていると…
「佐々本さん。
あなたの足は、リハビリしても前のように歩けるようになることはありません」
………え?
歩けるようになることはありませんって?
それってどういうこと…?
「事故のとき思い切り背中を打ち付けてしまったことにより…神経を傷つけてしまっています。
支えがあればなんとか歩けるようになるとは思いますが、それもリハビリ次第で…。
基本は車イスで生活していくことになるでしょう」
基本は…車イスで生活……?
え、私…もう歩けないの?
「先生…?嘘ですよね?
冗談ですよね?
リハビリがんばれば歩けますよね?」
「どんなにがんばっても、元通り自力で歩けることはありません」
そ、んな…
私…それじゃ蓮さんのお荷物になっちゃう
「彼の重荷にだけはなりたくないのっ!
先生…お願いです!
お願いだから、この足治して…っ」
泣きじゃくる私の声が、静まり返った室内に響き渡っていた。