それでもあなたが大好きです。
眠ることもできず、ベッドに横になったままただぼーっと天井を見つめた。
あのとき助けた男の子のことを恨んでしまいそうになる自分にうんざりした。
「私…最低だ」
「いや、君は最近なんかじゃないよ」
「っ!誰!?」
突然病室のドアが開いて、コツコツと足元が近づいてくる。
いつからそこにいたのだろう。
暗くて顔もよく見えない。
「誰?」
「ひどいなぁ。僕のこと、もう忘れちゃった?
僕だけの天使になってってお願いしたじゃないか」
僕だけの天使…?
そんな約束なんて…
「っ!!あなたもしかして」
「思い出してくれたの?嬉しいな」
入院した次の日に、私の病室に押しかけてきたあの人!
「こんな時間に何の用ですか…!」
「何言ってるの?ほんとは分かってるくせに…
こんな時間にすることと言えば、ただひとつでしょ?」
「冗談…です、よね?
やだっ、来ないで!来ないで!!」
男の人はベッドのもうすぐ横まで来ていて、熱っぽい目で私を見下ろしている。