mariage~酒と肴、それから恋~《6》
『晩御飯食べるでしょ?豚汁作ったよ~』と凱くん。


わざわざ作ってくれたんだ。

『ありがとう!食べる』

助かる。冷蔵庫の諸々の賞味期限とか心配だったんだよね。

忙しい仕事なのに、凱くは家事も率先してくれて凄い。仕事柄かな?


凱くんは、看護師をしている。

28歳(♂独身)。

大学病院の病棟看護師(三交代制)。

えーと、確か今日は、日勤終わりからの深夜勤のはず。

日勤が17時30分に終わって、深夜勤は0時30分に仕事開始。

ハード過ぎるシフト。


私は普通の会社員。結希乃(33歳♀ 独身)。

バリバリ働いてる私がかっこいいって凱くんは言ってくれるけど。

33歳。そろそろ落ち着きたい。


でも仕事は忙しいし、責任は年々重くなってくし、残業も休日出勤も当たり前で、有休はたまっていく一方。

疲れとプレッシャーに押し潰されそうになりながら、ふと疑問に思う。

私って、そんなに仕事したい人だったっけ?って。
< 3 / 17 >

この作品をシェア

pagetop