【長完】Keeper.l
教室に入れば午後2時を指している。……いじめの件で何時間くらい食ったのだろうか。考えるのはめんどくさいから放棄した。

とりあえずお腹空いた。自分の席においてあったカバンから弁当をを取り出す。よく取られなかっな、いじめっ子達が取ったりとかしそうなのに。なんのかんの言いつつもさ、ここら辺の暴走族っていい子ちゃん多くて笑っちゃうんだけど。

だってそうじゃない?ねぇ?

個人的に土曜日に集合をかけた理由は学校が終わるからってさ、お前ら学校出てんの!?そのなりで!?とか思うわけよね。まぁそのおかげで一般生徒の人達に被害がなかった訳だが。

教室は湿気がこもってガランと静かだ。窓を開ければしとしとと降ってる雨の音が聞こえてくる。

「なぁ、今日傘もってきたか?」

「私は折りたたみなら持ってるよ!」

十勝が言った言葉にお姫様が元気にお返事する。あー、そっか。雨……、

「紫陽は……、傘自体持ってるか?」

『持ってないですね。』

「止むことを全力で祈るか。」

「龍くん雨男だもんね!」

無表情で窓を見つめる十勝は髪の色さえ抜けば風流だ。十勝、アホで奇行ばっかりしているから忘れがちだがかなりの美形なのだから。

というか、

『雨男なの?』

「龍くんはね、雨男すぎて小学校の遠足に行けたことがないよ!」

『え、?』

小学校の遠足に行けたことがない?
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