【長完】Keeper.l
それからご飯を食べて車を呼んで倉庫へと帰った。

車が校門に止まるまでは昇降口のところで雨宿りをしていたのだけれど、傘があるなら倉庫に歩いて帰ればいいじゃないか、と提案したが意外と距離があるらしい。知らなかった。

ちなみに昼から十勝は超絶ご機嫌だった。平和だね。

車が来たからそこまで全力で走る。雨がとても冷たかった。







「おかえりなさい!!千歩さん、無事で良かったっす!!!!!!」

倉庫につけばみんなに出迎えられる。お姫様は嬉しそうに顔をほころばせて

「ありがとう!」

と言っていた。

ただみんなで声を合わせているので少しうるさい。人数多いんだもん、Kと比べて。慣れていないよ、そんな大人数の大合唱なんてさ。

「副総長!」

一人の子が金髪に近づけば、金髪はかったるそうに歩いていた足を止めて不思議そうな顔をする。

「どうした?」

「そう言えばあれ、総長喜んでくれましたか?」

あれ……?

「ああ、昼飯の時すんげぇ喜んでたぜ?なんか動画とか写真とか沢山撮ってたよ。」

「さすが総長ですね……」

「ほんとにな……」

「でも良かったっスね!!副総長、早起きしてたから!!」

「おお、ありがとな。」

「いえ、俺は何も!!あ、呼び止めてすみません!」

「あ?別に問題ねぇよ。じゃあちょっくらカバン置いてくる。」

「はい!!」

ああ、イヌオくんか。早起きして作ったのにもまぁ、驚きだし下の子見てたんだな。金髪が弁当作るの。てか十勝、下の子にも引かれてんのかよ。

それはダメでしょ。アカンやろ。
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