【長完】Keeper.l
隣を歩いていた十勝はいきなり止まった。いや、怖いから。いきなりはやめて。
後ろを振り返れば、柔らかく微笑んでいる綺麗な男。ああ、そうだ。いつもあほ面ばかりさらしているから忘れそうになるけれど、この人美形なんだった。
茶髪と、金銀のメッシュが風になびかれて宙へと浮かぶ。私と【あの人】の色。
「それにな、紫陽。今回のバーベキューは紫陽の歓迎会も含まれているんだ。
俺たち神龍と紫陽はもう仲間なんだ。紫陽が何考えていたかは分からないけど、この歓迎会が終わればお前は居候じゃなくて仲間になる。
仲間に遠慮なんて必要ないんだ。」
『…………』
仲間、か。ほんとに?
いいの?私なんかが。また大切なものを胸に抱えても。
いいの?
今なら引き返せる。
そう思うと同時に無理だった。楽しいんだ。この神龍という空間が。総長はアホだけど頼りないわけじゃない。幹部達みんながツッコミに回るけど。呆れたりはしながらもやっぱり楽しいんだよ。
ここに、いたい。
無意識に下がりつつあった顔を上げればまた風が吹いて、先程は前髪が揺れる程度のものだったというのに今度は後ろの髪も揺れる。
「俺は、あの日紫陽が声をかけてくれて良かったと思ってる。
会うことが出来て良かった。ありがとう、見つけてくれて。」
『……馬鹿じゃないの』
ハクリ、と唇が震える。
後ろを振り返れば、柔らかく微笑んでいる綺麗な男。ああ、そうだ。いつもあほ面ばかりさらしているから忘れそうになるけれど、この人美形なんだった。
茶髪と、金銀のメッシュが風になびかれて宙へと浮かぶ。私と【あの人】の色。
「それにな、紫陽。今回のバーベキューは紫陽の歓迎会も含まれているんだ。
俺たち神龍と紫陽はもう仲間なんだ。紫陽が何考えていたかは分からないけど、この歓迎会が終わればお前は居候じゃなくて仲間になる。
仲間に遠慮なんて必要ないんだ。」
『…………』
仲間、か。ほんとに?
いいの?私なんかが。また大切なものを胸に抱えても。
いいの?
今なら引き返せる。
そう思うと同時に無理だった。楽しいんだ。この神龍という空間が。総長はアホだけど頼りないわけじゃない。幹部達みんながツッコミに回るけど。呆れたりはしながらもやっぱり楽しいんだよ。
ここに、いたい。
無意識に下がりつつあった顔を上げればまた風が吹いて、先程は前髪が揺れる程度のものだったというのに今度は後ろの髪も揺れる。
「俺は、あの日紫陽が声をかけてくれて良かったと思ってる。
会うことが出来て良かった。ありがとう、見つけてくれて。」
『……馬鹿じゃないの』
ハクリ、と唇が震える。