【長完】Keeper.l
暖かな腕が私を包んだ、乱華さんの肩越しにみんなの様子を見てみると不思議そうな顔をしていた。

そりゃあ、そういう顔もするよね。今初めてここに来たはずであろう女が名前を覚えるのが大の苦手な金髪の母親に名前を覚えられている。

それがどういうことか、つまり、覚えられる程にここに来たことがあるということ。

そして、「里」と呼ばれた私の名前。みんなからすれば、ああ知り合いなんだ。で終わる話だが、とある人にとってはそれじゃあ済まないだろう。

ごめんね。元から、知っていたんだよ。



「それじゃあ、楽しんできてね!」


私を抱き締めていた乱華さんが手を振りながら見送ってくれるのをチラチラと見ながらバーベキュー会場へと行った。
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