【長完】Keeper.l
受けて立つ。

こっちはもっと極限の戦いをしてきたのだ。

引退してまだ3ヶ月。

忘れてない、あの感覚。

さぁ、鮮明に思い出せ。

胸の高揚がさらに高鳴る。

気がつけば、口元は楽しげに歪んでいた。

総長の指示で倉庫の中央に戦えるくらいの広さが出来る。

台から降りて、私と戦う人と対面すれば人数は3人だけだった。

『これだけ?』

さっき、私に不満がある人は何人でも掛かってこいと大口を叩いたから少し拍子抜け。

「はい。下の奴らは皆、俺達に任せてくれると。もし、俺達が負けたら潔くあなたを認めるということになりました。」

『ここは、信頼関係がきちんと成り立ってるのね。』

さて、どうしようか。

人数が少ないのは嬉しい。手間がかからないから。

でも逆に少人数だから、注目が高まる。

大勢を相手にする時は力任せにやって動きが荒くなりました風を演じるつもりだったから。困ったなぁ。



……力加減、どうしよ?
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