10代の病んだ魂たちへ ~イジメ復讐~
一瞬の快楽。
あるいは、ウケ。
ノリ。
それで彼女の無垢な心を傷つける。関係のない他人を貶める。
それが僕のクラスの大多数の持つ悲劇的な心理だった。
きっと僕自身も、その程度の理由で小中といじめられてきたのだろう。
「あいつさ、突然話しかけたりすると過呼吸っぽくなるんだよ。
それもおもしれえし。おまえ同じ美術部なら知ってるだろ? 今度やってみろよ」
谷口はうさぎを抱えながら、僕に語り続けた。
握りしめたシャベルと、飼育小屋にある工具で、僕はそんな彼を殴り殺してしまいたかった。
あと一歩、僕の心を踏みにじっていたら、僕は彼を殺していただろう。