10代の病んだ魂たちへ ~イジメ復讐~

「大丈夫………」

そう言って、僕は思わず彼女を抱き締めた。

初めて見た。彼女のこぼす涙。

僕はずっと、彼女は強いから、何があっても決して涙を見せたりしないと思っていた。

でも本当は……。

本当はただ、僕が見たくなかったものを見ようとしなかっただけなのかもしれない。

彼女の美しい瞳の奥に隠された悲痛も。

彼女の流す、悲しい涙も。
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