10代の病んだ魂たちへ ~イジメ復讐~
「僕も……君と同じだった」
僕は彼女に、僕の腹部にある火傷の跡を見せた。僕から人にこの火傷を進んで見せたことは今までなかった。
彼女はそれを黙って見つめていた。
それからどちらからという訳でもなく、僕達は無意識に手を繋いでいた。
彼女の柔らかい手からは、何とも言えない優しい温もりを感じた。
「君が転校してくるまで、クラスでいじめられていたのは僕だった。
だから僕は、今の君の痛みを誰よりもよく理解できる。
なのに僕は、いじめられている君に何もしてあげることができない……」
僕の言葉に彼女は静かにうつむいた。