10代の病んだ魂たちへ ~イジメ復讐~

僕からすれば、それはあまりにもあり得ない期待だった。

例え、絵が完成しようとも、どんなにすごい賞を取ろうとも、あいつらは彼女へのいじめを止めることはないだろう。

あいつらはただ、彼女を楽しみで弄んでいるに過ぎないのだから。

何度も他者に期待し、その度に裏切られてきた僕には、そんな簡単なことはすぐに分かった。

でも、彼女は、なぜだろうか。

彼女も同じくらい他者に裏切られたであろうのに、なぜ、彼女は、まだ他者に何かを期待するのだろうか。
< 47 / 123 >

この作品をシェア

pagetop