弟子にしてくれないと泣くかしら!
「まあ、料理はおいとくかしら。それよりその書類はそんな体調が悪いときでも急いで研究しなきゃいけない書類かしら?」




おいとける話題でもないのだが、これを追及されるとながくなりそうなので、無理矢理にでも話題をかえる。





書類を覗き込めば、やっぱりそれはさっき見た魔法。




なんて、魔力還元率の悪い魔法陣かしら…。




余計なものがついているせいで、大抵の魔法使いはこれをつかっただけで根こそぎ魔力を持ってかれるか、使えないかのどちらか。



こんなものが普及しているのかと、ルイをみればなにを勘違いしたのか「お前にはまだ早い」と言われた。




そう言ったってことはこれがいま現在普及している魔法で間違いないなさそうだ。





こんなのよりも、もっと魔力を押さえられる魔法陣を知っていると言えばルイは驚くだろう。



でも“今”の状態では使えないのは事実で、なおかつ下手に口出しして感づかれるのは、とても都合か悪い。




だから口を紡ぐしかないかしら…。




そう思っていたのに、つい口に出してしまった。




原因はルイが書類と一緒にもっている本だった。

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