弟子にしてくれないと泣くかしら!
10分、そう聞いていけるかも知れないかしら、と思った。

でも今は魔力を殆どとられた状態で、万全でないこの身体には荷が重すぎるとも感じる。


思い付いた方法をとるにはだって…。



「そんなの犠牲にしてしまう…かしら」


「ノア。だからルイと契約したのですよ、ねぇ?」

それを聞いたニーアが全て見透かしたような目で、いや本当に私の考えをわかった上で警告する目を向けていた。


「ある程度抑えられれば、あとは契約をつかってルイの魔力を受け取り龍を倒せばいい。そう考えてるのでしょうけど、リスクは大きいのですよぉ?何より失敗したときルイも巻き添え、下手したら死んでしまうかもなのですよぉ?そんなのわたくしがゆるさないのですよ」


そのあとに、そんなことしたらいくらノアでも殺してしまうかもなのですよぉ?と続けられた言葉に何故だか安心して笑ってしまった。


ニーアは前は自分が中心で他人が生きようが死のうが関係なくわが道を突き進む魔法使いだった。


唯一、最初に死なれちゃ困るといわれた私でさえ、理由は研究仲間として。


だけど、ルイのことは弟子だからかなんなのかは知らないけど、利用されて死んでしまうかもしれないと思ったニーアは私に警告したのだ。


それがほほえましいとも感じてしまう。

「ニーアがまるくなってくれてよかったかしら。弟子をもつと変わるのかしら?」
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