【完】放課後、図書室で。
どうみても、終わらない……。
明日に回す?
でも、明日の当番の人に迷惑かけちゃうし。
朝の図書室の開放はしていない。
なにがなんでもあと15分で終わらせないといけない。
やっぱり一人じゃ無理だったのかなあ。
情けなさで目に涙がにじむ。
「いたっ……。」
逸る気持ちのせいか。
紙で手を切ってしまう。
うっすらと浮かんできた赤い血に。
また涙腺が刺激される。
本当、私って何してもダメダメだ。
茅野くんに話しかける勇気もないから。
茅野くんを委員会サボらすような真似させることになって。
それで私は一人本の整理。
一人じゃあとてもじゃないけど終わらせない量。
ふたりならきっとどうにかなっていたはずなのに。
意気地無しのせいでこうなっちゃった。
負のループでどんどん卑屈になっていく。
だって怖いんだもん。
茅野くんの周りは人でいっぱいだし。
前、用事があって話しかけた大人しめの子は。
常に隣をキープするカースト上位の女の子に睨まれてたし。
あんな思いしたくない。
学校で居場所失いたくないもん。
ぼーっとしていると切った指先から地面に血が滴る。
本を汚さないようにもう片方の手で傷口を押さえる。