Take The Place 〜暴走族の姫〜
「っ待って…!」
杏莉は咄嗟に彼女の腕を掴んだ
「、…離して、くださいっ…」
弱々しい声で麗華は拒絶した
お構い無しに杏莉は彼女の手を引き、
ーーーーーーーー…抱きしめた
「だーいじょーぶ…あたしがいるよ」
優しく麗華の背中をぽんぽん、とゆっくり叩く
「っ、」
「…無理しないで、あたしはあなたの味方だよ」
優しい声色で語りかける
久々に感じた同性からの温もり
麗華の傷んだ心が癒されるまでに、そう時間はかからなかった
「…っふ、ぅあ…っぁ、んりちゃっ…、」
「あれ?あたしの名前知ってたんだ?」
そう言いくすくす笑う彼女を肌で感じ、麗華は
この人とならわかりあえる友だちになれるかも
と、密かに思っていた