Take The Place 〜暴走族の姫〜
杏莉は気を取り直して考えた
(楽しいこと…楽しいこと…)
そうやって1人悶々と考えているうちに、ひとつの考えに辿り着いた
(自分で楽しいこと、作り上げちゃおう…!)
我ながらいいアイディアだ、と杏莉は思わず鼻歌を歌ってしまいそうになるのを抑え、
「先生、気分が悪いので早退してもよろしいでしょうか?」
杏莉以外の誰かなら絶対認められない要求
だが杏莉は完璧人間
教師からの信頼も厚い
「あら、国城さん大丈夫?お家でゆっくりしなさいね」
難なく許可を得た
杏莉は内心ほくそ笑んだ
と同時に、自分の今までの仮面は無駄じゃなかった、と喜びもあった
そして杏莉は、鼻歌交じりに学校を後にした