スキトキドキキライ

May ~こいのぼり~

だんだん今のクラスに慣れてきた。
4月のときに思っていたのとは違い、この2年1組はとてもにぎやかで毎日笑顔が溢れていた。



*修学旅行の班決め*


「遥陽と同じ班になれてほんとよかった!」

「わたしも!」

「どこの男子と組む?」

「うーん...。」

「ほんともー誰でもいいよね…笑笑」

「そーだね笑笑」


*班での係決め*


「よーろしくね...(˙◁˙)」
ゆらと遥陽が言った。

「おぉ、よろしくー!」
そう言ってきたのが、本田と松嶋だった。この2人は剣道部に入っている。クラスを盛り上げてくれるとても面白い人たちだ。


私たちの班は運がよく、明るい男子達と班になった。


(はぁ...これで修学旅行は楽しめそう。)
ゆらは安心した。



*修学旅行帰り*


「はぁー、楽しかった!!!」
「ほんとね!」
「帰りたくないいいいい~」
「ね~」

私と遥陽はずっとこんなことを話していた。


新幹線の中で私はふと松嶋と目が合った。
松嶋はニコッと笑ってきた。私も笑い返した。

(...なんだろこの気持ち。心がきゅーって苦しくなってでも嬉しくて。顔が熱くなって。)


すると、遥陽が
「ん?ゆら?どした?」

「あっ、ううんなんでもない笑笑」

「えっ、ゆら顔赤くない?」

「いや、そんなことないよ笑笑」

「そー?」

「うん笑笑」



*翌日学校で*


いつの間にか私はずっと松嶋のことを目で追っていた。
松嶋が今何をしているか、誰とどんなことをしているか。周りも見えなくなるくらい松嶋に夢中になっていた。

(えっ、これってもしかして。好きになったのかな。っでも私って一目惚れしやすいしこんな気持ちすぐになくなるよね(<_<))


「ゆらー!ゆらー!!」
遥陽が声をかけてきた。

「んー?」

「もー、何回呼んだと思ってるの?」

「あっ、ごめんごめん笑笑」

「もー、ゆらさ、昨日からずっと変だよ?なんかあったの?」

「いや、そんなことないよ!」

「まぁ、なんかあったら言ってよ(´-`)」

「うん(^^)」



*下校*


昨日からずっとこんな調子だ。これって恋してるのかな。遥陽にも心配かけてるし、言ってみるかー。

「ねぇー遥陽」

「ん?なに?」

「相談、になるのかな、」

「おお、どした?」

「実は、修学旅行の時松嶋と何回も目が合って、それで目が会う度に熱くなって心がきゅーってなって。
これってすき、なのかな。」

「えっ、そうだったの?」

「そう。新幹線の時も」

「そうだったんだ。
それってさ、もうすきになってるんじゃないの?」

「やっぱそうなのかもしれない。」


(やっと、わかった。私、松嶋に恋してるんだ。
好きになってるんだ。)



*学校*


(最近、気づけばいつも松嶋を見てる。家でも頭から離れなくて、授業中も、休憩時間も。
会う度会う度にどんどん好きになってく。


もう、気持ち伝えようかな。)



*下校*


「ねぇ、遥陽。」

「ん?なに?」

「わたし告ろうと思う。」

「えっ、早くない?」

「自分でも早いかなって思うけど、この気持ちが抑えられなくて。」

「そっか。応援してる。」

「ありがと。」



5月26日 22:00


『夜遅くにごめんね。言いたいことあって。


好きです。もし良かったら付き合って下さい。』


20分後


『え?まじ?』

『うん。』

『気持ちは嬉しい!ありがと!
でも、今は剣道の試合が近くていろいろ大変で...。』

『そっか笑笑』

『っでも、今は付き合えんかもしれんけど、断ったわけじゃないよ!』

『えっ、ほんとに?』

『うん!また学校でも話そうね!』

『うん剣道頑張ってね!』

『ありがと~』


...


(これってさ、振られた、、、んよね。っでも、"今は付き合えんかもしれんけど、断ったわけじゃない"ってなに?期待してもいいの?それとも、遠まわしに断られたの?)


頭の中が真っ白になった。早い鼓動が鳴り止まない。
顔が熱い。胸が苦しい。


(どうしよう。明日も会わなくちゃいけない。)



その日から松嶋とは一言も喋ることが無くなった。
目が合うとお互いすぐそらすようになった。
お互いがお互いを避けるようになった。


話そうねって言ってたのに、、、そんなの嘘じゃん。



避けられるのが辛い。話せないのが辛い。

松嶋の笑顔が見れないのが辛い。





このことはまだ遥陽には言いたくない。
松嶋のことを話したくない。
考えたくない。
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