あやかし屋敷へようこそ
でも、広い庭はとても綺麗に掃除されている。
何だか背筋がゾクッとした。
あんまり長くこの場所にいたらダメだ。
直感した。
「…明美、走ろう」
「え?…ちょ、弥生!」
気がついた時には私は明美の手を取って、まるでそのお屋敷から逃げるようにして走り出していた。
「ただいま…」
家に帰ってご飯も食べてお風呂も入って…
それでもまだ、頭の中からあのお屋敷の事が離れなかった。
まるで、そのお屋敷に取り憑かれたような感覚ーーー
「…気持ち悪い」
私はおもむろにスマホを手に取ると、新しいバイト先を見つけるために、求人サイトを開いた。