【完】キス・フレンド
ファースト・エンカウンター
1年生の3月。
今まで使っていたサボり場所が先生にバレてしまって。
私は新しいサボり場所を探していた。
体育館裏もダメ、屋上は立ち入り禁止。
購買の裏手も見つかったし。
生徒指導のあいつ、……名前忘れたけど。
毎回毎回見つけてくるのどうにかなんないわけ。
それが仕事なんだろうからなにも言えないけど。
それでも悪態をつくことはやめられない。
いつもは目立つからやめる裏庭に足を運んでいた。
ここ校舎から丸見えだよなあ。
見上げれば、教室の窓が見える。
でも、生徒指導室からいちばん遠い場所なんだよね。
だからと言って見つかりにくいかと言われれば見つかりやすい場所だろう。
そう思いつつ、まだ散策をしていない未発掘の場所だから。
もしかしたら、の可能性にかけてサボり場所を探し始める。
草陰、はかゆいし嫌だ。
なんかないかなあ。
その時、校舎と校舎。
渡り廊下でつながったちょうど陰になる場所を見つけた。
ここなら、廊下の下なら見つからないかも。
校舎と校舎の間には物が置かれていて。
身を潜めるにはいいところだった。
段ボールの山をかき分け、外から来てもバレないように。
両脇に段ボールを積み上げた。
これなら、座っててもバレない。
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