【完】キス・フレンド

夏は暑くて大変だったけど。
今は寒くて大変なんだよね。
先輩いないと私寒くて風邪引いちゃうかも。
だから、早く来て暖代わりになってよね。


はあ、と息を吐くと。
もう息は白くなっていた。


本格的に冬が近づいている。
冬になったらこの場所も使えなくなるのかな。
冬用のサボり場探さないと。
外は寒いし、雪降るし。
……この場所ともお別れかあ。


目を閉じれば、初めて先輩と会った日の事を思い出す。


寝ていたらいきなり目の前にイケメンが現れて。
あの時はびっくりしたなあ。
しかもそのイケメンが学年1の人気者。
王子様見たいだって噂されてたけど全然そんなことないし。
ただのエロい男子高校生だわ。


初めてのキスは髪の毛、だったっけ。
出会ってすぐの人にキスするなんて。
外国の人だけかと思ってた。
……先輩ってハーフ?
外国で育ったことあるとか?


2回目は耳と唇。
あんなのどこでおぼえてくるんだろうか。
慣れ過ぎててちょっと不満だったんだけどね。


3回目は喉を噛みつかれた後フレンチキス。
人間に噛みつかれるなんて一生で一回もないって思ってたのに。
まさか先輩に噛まれるなんてね。


あの後学校のトイレで確認したらくっきり噛み痕あって。
隠すのに苦労したのを思い出す。
フレンチキス、あれはレベル高すぎる。



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