【完】キス・フレンド
イケメンの仮面はだてじゃない、ってことか。
さぞかし、モテモテなんでしょうね。
でも、なんでそんな先輩がここにいるんだ?
っていうか、このサボり場所もしかして。
「ここ、先輩のテリトリーですか?」
「……まあ。」
マジか。
良い場所だと思ったのに先客がいたのか。
通りで誰にもバレないって思ってた場所がこんなに簡単にバレるわけだ。
新しいサボり場所探さないとなあ。
少し伸びをしてから、その場を立ち上がる。
スカートについた埃を払い、私は段ボールの山を跨ぐ。
その時、先輩に呼び止められた。
「おい、どこに行く。」
「どこにって、他のサボり場所探しに行くんですけど。」
「なんで?」
「なんでって。
誰かと一緒な所でサボるとか嫌じゃないんですか?」
「別に。」
「そうなんですか。」
でも私は嫌なんです。
そう心の中で唱えてその場を後にしようとする。
その時、腕を掴まれた。