【完】キス・フレンド
ファースト・キス
「あ、先輩いらっしゃい。」
「お前何限から来てんの?」
「教室寄らずそのまま、朝礼からですかね。」
「せめて出席くらいしておけよ。」
「新しい担任と波長が合わなくて。」
「誰?」
「新任の女の先生です。」
「ああ、面倒くさそうな。」
初めて会った日から時間が過ぎて。
私たちはひとつずつ進級していた。
私は2年生。
先輩は3年生。
サボってはいるけど出席日数は足りているし。
成績も悪くないから留年の心配はなく。
楽々進級することができた。
それでも相変わらず、この奇妙な時間を共有する習慣は変わっていなかった。
ほぼ毎日、先輩と顔を合わせている。
3年生だから模試やらなんやらで来ない日はまちまちあるけど。
それでも大抵毎日顔を合わせて話をしていた。
「もうすぐ中間だろ?勉強いいのかよ。」
「特に困ってはないですね。」