キミと一緒なら
優しい声で、私を落ち着かせようと相槌を打って聞いてくれる。
「いつの間にか、私の中で裕哉の存在が大きくなってた」
「うん」
裕哉の顔が少し明るくなったのを私は見逃さなかった。
「俺はずっと、陽菜の存在は大きいよ?陽菜がすごく好きだから」
やっぱり、裕哉は恥しさを感じる要素ないのかなぁ??・・・
なんでそんな恥ずかしい言葉をすって吐けるの??
「なあ、陽菜」
「ん?」
「俺のせい?陽菜が苦しんでるのは・・・俺が陽菜を家に帰らせたから・・・?」
初めて見た。
こんなにも、不安そうな顔をするところ・・・
「裕哉・・・私は大丈夫だから」
裕哉のせいなんかじゃない。
確かに、私はお母さんの元に帰らされたせいだと思う。
でも、裕哉を攻めるつもりなんてないし、全部が全部裕哉のせいじゃない。
誰のせいでもない。
お母さんを本当は恨みたい・・・
でも、本当は私はお母さんと幸せに過ごしたいし一緒に居たいってどこかで思う。
だから恨めないんだ・・・
どんなに酷いことをされても・・・私の本当のお母さんだから。
たった1人の親だから。
「泣いてる?毎日・・・」
心配そうに私の顔を覗き込んできた。
「泣いてない」
「嘘だろ?泣いてるんだよな?なんで?」
「言いたくなかったら、今は言わなくていい・・・。陽菜から話してくれるのを待つよ」