キミと一緒なら
「浩輔、今日はありがとな」
「いいって、その代わり、家まで送れよ?」
「わかったよ、」
お店から出て、傘をさして駐車場に置いている車まで行った。
車の鍵を取り出して、ドアを開けて乗り込んだ。
ワイパーを最大の速さで動かしても追いつかないほどの雨。
「すげーな、雨」
フロントガラスを激しく打ち付ける雨の音を聴いて浩輔が言った。
「洪水確率、割と高めだったからな」
こういう時に車って便利なんだよな。
「どっちだっけ?」
「右」
「サンキュー」
右にハンドルをきって曲がると、少し細い家の路地へと入った。
どんどん奥へと進んだ。
「サンキュー!」
浩輔の家に着いた。
「おう!」
「じゃ、また明日な?」
「じゃーな」
窓を開けて、手を軽く振り返したあと、今来た道を引き返した。
自分の家へと向かった。