キミと一緒なら




「浩輔、今日はありがとな」


「いいって、その代わり、家まで送れよ?」


「わかったよ、」



お店から出て、傘をさして駐車場に置いている車まで行った。



車の鍵を取り出して、ドアを開けて乗り込んだ。


ワイパーを最大の速さで動かしても追いつかないほどの雨。


「すげーな、雨」


フロントガラスを激しく打ち付ける雨の音を聴いて浩輔が言った。


「洪水確率、割と高めだったからな」


こういう時に車って便利なんだよな。


「どっちだっけ?」


「右」


「サンキュー」


右にハンドルをきって曲がると、少し細い家の路地へと入った。


どんどん奥へと進んだ。


「サンキュー!」


浩輔の家に着いた。


「おう!」


「じゃ、また明日な?」


「じゃーな」


窓を開けて、手を軽く振り返したあと、今来た道を引き返した。


自分の家へと向かった。



< 193 / 367 >

この作品をシェア

pagetop