キミと一緒なら




美羽ちゃんに急かされて、急いで屋上を出て校舎の中に入った。


廊下を走って、教室へと向かった。


「走らなくても間に合ったね」


「そうだね!」


私は自分の席に座った。


机の中から、次の授業の教科書とノートを取り出して準備をしていた。


「ねぇ、今井さん」


はぁ・・・。


心の中でため息をついた。


「今井さーん」


「・・・」


「無視されるのすごく傷つくんだけど?」


・・・知らないよ、そんなの。


そもそも、そこまで私たち仲良くないじゃん。


少なくとも、北村くんには何も話すことないし、話したいと思わない。


「今井さーん?」


「・・・」


「陽菜ちゃん」


「気持ち悪いからやめて!」


なんでいきなり馴れ馴れしく、下の名前で呼ばれないといけないの?


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