キミと一緒なら
なんで私はあの親の元に生まれてきたんだろうって・・・
あの最低な親の元に・・・。
だから、今日の朝も怖かったんだ。
裕哉が今日は帰れない、なんて言うんじゃないかって・・・
でも、違ったから安心した。
「陽菜」
お昼休みになって、美羽ちゃんが私を屋上に連れだした。
屋上のフェンスにもたれかかって座った。
「はい、陽菜!誕生日おめでとう!」
「・・・えっ?」
「そんな大したものじゃないよ?」
「嬉しい、ありがとう」
鼻の奥がツーンと熱くなって、視界もぼやけ始めた。
・・・泣いてるんだ・・・私・・・。
「陽菜」
そう言って、私を強く抱きしめてくれた。
それはすごく温かかった。