7年目の本気
「―― 服を脱いで」
笑いながら言われて、和巴は虚を突かれたように
動きを止めた。
「……え?」
「そのまま、ここで服を脱いで?」
宇佐見は、ベッドを椅子代わりに座ったままだ。
和巴が立っているのは、その脚の間、体温が分かる
ほどの距離。
和巴は宇佐見を見つめたまま、
羽織っていた……を脱いだ。
それから、下に着ていたカットソーを脱ぎ捨てて、
スカートのホックを外す。
その瞬間、見つめ合ったままのホックがゆらりと
立ち上がり和巴の腕をつかむ。
そしてつぎの瞬間、軽く脚を払われた。
あっ! と思った時には体のバランスが崩れて、
和巴の体はベッドに倒れ込んでいた。
そして、目の前に、にっこり笑う宇佐見の綺麗な
顔があった。
「……宇佐見、さん?」
「もう少し誘い方を勉強しろ。お前に任せていたら、
夜が明けそうだ」
「―― ん……」
唇を塞がれて、和巴は目を閉じる。
「宇佐見さん……宇佐見さん……」
両手を伸ばして、宇佐見の首に回す。
しがみついたそこから伝わる宇佐見の体温に、
めまいがしそうになった。