7年目の本気


「はっあん……あぁ、んん……はぁ……」

「あ ―― か、かずはー?」

「……んー?」

「もうすこーしだけ声、落としてくれると有り難い」


 そう言った匡煌さんに疑問符一杯の視線を向ければ。
 
 彼は悪びれた様子もなく、こう言い放った。
 
 
「やっぱ真夜中は声も通るし、8才児にゃまだまだ
 刺激が強すぎる」
 
「へ? それって、まさか……」
  

 匡煌さんは、私の首元へ顔を埋めるようにして、
 付けた唇で ――
 
 
「っっ! マークはつけないでって ――んんっ! 
 あぁぁ、ん……ひゃあ……」

「だから声は抑えてって言ってるでしょ」


 そんなこと言うなら自分だって……
   
 私はただ身体をくねらせる事でしか、この快感から
 逃れる術はなく。

 だんだん息が上がって、
 目だって焦点が合わなくなってきた。

 そんな、恋人同士・愛の営みの真っ最中。


 ―― ガチャリ


「ん~、おとうさん……おきちゃったぁ……
 いっしょにねてい?」

  
 大地くんがお気に入りのホワイトタイガーの
 ぬいぐるみを手に寝室へやってきた。


「だいち、くん……」


 私は超慌てた。
 けど、匡煌さんは意外と冷静で、
 私に布団をかぶせると、自分はベッドの下にあった
 スウェットを手早く履いて、大地くんを抱き上げた。


「どうした? 寝れねーか?」

「うん……」

「本読んでやるから、部屋行くぞ」


 そう言って匡煌さんは大地くんを抱えて寝室を出た。


「……」

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