7年目の本気
  私立祠堂学院大学。

  4年前創立された新設校。
  
  学部・学科は、教育学部家政学科と
  政治経済学部人材マネジメント学科、
  そして文学部英米文学科
  3学部・3学科のみ。
  
  学生の大半が地元又は近県のド底辺校からの
  入学者なので学力レベルは未だ高校生並みか、
  それ以下。


  ① 正にチ/ンピラな雰囲気のDQ/N。

  ② オタクとは限らなくとも、
     どうも挙動不審な動きをする奴。

  ③ 勉強面倒 ――、そもそも
     Fランの講義なんか聴かなくても分かるし、
     という、今が楽しけりゃいいと考える奴。
     
   ―― 大体この3タイプに分かれる。
    
  ・ 就職率98%、フリーター含む
  ・ 卒業後、3割ニート、6割フリーター、
         1割中小(中傷)企業。  
    
  ・ 学生は殆ど工業高校や底辺普通科の出身。
    故、他の大学のレベルを知らない。

  ・ だから自分達の中だけで比較して頭の良し悪し
    を決める。
  ・ 課題をすぐに終えればそれだけで天才扱い。


  因みに、和巴達2013年(平成25年)度新入生が
  この学院から巣立つ初めての卒業生となる。  



  ・ テストは簡単な部分ばかり出たり、
    持ち込み可でプリントに載ってる問題が
    数字変えずに出たりでノー勉でも合格できる

  ・ しかし単位を落とす奴は多い。
    持ち込み可のテストで荷物を忘れて
    0点になった奴なんてのもいた 
 
 
  ・  大学内に「花火をしないでください」
     「トイレットペーパーをもっていかない」
     「トイレ内で卑猥な行為は慎む」
     「廊下を走らない・廊下で寝てもダメ」
     の、張り紙がある。
     

 ***  ***  ***
 
 
  ―― 関わり合いにはなりたくない!
  
  とは、いっても、天敵は教室の前で待ち伏せていた
  
  
「―― よっ。また、会ったな」


  和巴はガン無視で教室内へ入ろうとする。

  宇佐見はその和巴の腕をすかさず掴んだ。
  
  室内にいるクラスメイトも、お隣のクラスや
  通りすがりの学生達まで、
  和巴と宇佐見の動向に興味津々だ。
  
  
「また、蹴っ飛ばされたいですか?」


                          ※

「いやぁ~、参った。オレって結構Mっ気あったん
 かなぁ。あれからお前の事思い出して、2回も
 ヌイちゃったよ~」
 
「やっぱ変態っ!」


  宇佐見は”蹴っ飛ばされ防止”の為、
  和巴をぐいっと抱き寄せた。
  
  
「変態な上に無節操な欲情魔」

「ありがと」

「大声出すから」

「あの時みたいに?」


  ―― あの時。
  
  つまり、初対面にもかかわらず、行きつけの店の
  トイレで最後までイタしてしまった、
  あの時を指しているのだろう……。
  
  情事の一部始終をまざまざと思い出し、
  かぁぁぁっと顔を真赤にする和巴。
  
  
「そのカオ、唆るねぇ ―― 付き合え」


  和巴の腕を掴んだまま、階段に向かってズンズン
  歩き出す。
  
  
「って、私はまだ午後の ――」

「講義は欠席すると講師に伝えておいた」

「そんな勝手に ――!」

「四の五の言わずに黙って着いて来いっ。絶対悪いよう
 にはしない」
 
 
  いいえ!
  あなたと一緒にいるってこと自体。
  悪い事が起きる前兆としか思えないんですが?         
    
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