This Is Love Story
ピアスをじっと見つめる私を横に、禅くんはひとり店内に入っていく。
私もすぐに追いかけて店内に入ったけど、何やら禅くんは店員さんと話している様子。
「……結衣。」
しばらくして戻ってきた禅くんは、私に小さな箱を渡した。
「え…これ…」
箱の中にはさっきのピンクの星のピアス。
驚いて禅くんの顔を見上げると、左耳の龍のピアスのすぐ上に小さな黒い星のピアスが光っていた。
「欲しかったんだろ?」
「…うんっ!嬉しい…ありがとう!」
私が笑うと、禅くんも少しだけ笑う。
その笑顔に私の胸はまた高鳴った。
初めて彼氏からプレゼント貰った…。
か、家宝にせねば…!
「…ピアスホール、開けてやる。
ピアッサー買って倉庫行くか。」
「うん!」
無口で無愛想だけど、優しすぎる彼。
一緒にいればいるほど好きが積もる。
禅くん…。好き、大好き。
恥ずかしいから、言葉のかわりに冷たい彼の手をギュッと握った。